シナモン

ユラユラ揺らいでは 思い馳せて やがて微睡む
ヒラヒラ風に乗り 繰り返す日々と蝉時雨
 
 
振りほどけない 不安も迷いも
今は弱いままで 時は経ち尽くした
思い出の隅 怖気付いている
今も弱いままで 時は立ち竦んだ
 
冷えた器(うつわ)に触れて ヒビ割れる音が聞こえますか？
時は流れ続け 賛美の雨は地を濡らす
僕の声が聞こえますか？
 
 
ハレルヤ 安らかに まだ覚めない世界の果てで
萎れた贈り物 笑顔に沁みる涙の跡
いつかの夏  晴れた日  あなたは眠る
あからさまな振る舞い はしゃいでは塞ぐ 耳鳴り
 
 
味気無い日々 広がりゆく距離
今は流されぬよう 時を待ち続けた
幾許も無い 僅かな吐息を数え 手を繋いだ
 
 
ハレルヤ 安らかに 海に落ちる 月は杳杳(ようよう)
瞬きすら不惜 蝉の七日間とかくれんぼ
 
声を殺して泣いていた 溢れる記憶
これから歩む先に突然降り注ぐ
陽陰の無い木漏れ日 散らばる記憶
華奢に揺れるロザリオ 飾らぬあなたへ
 
 
「おやすみ」
 
 
取り戻せない 不安も迷いも
僕は弱いままで 時の命を汲む
 

 

〜解〜

 

2013年5月作成

 

夏

同じ青空でも見方によっては悲しみや切なさを物語る

 

大切な物

それは人であり物であり時間の経過であり思い出であり

背負う物の価値や重さはそれぞれである

 

主人公は最終的に強くなるのではなく

自分の弱さを受け入れて向き合っていくこと選んだ

Twitter