死骸の海

憎しみと愛
優越とエゴ
哀れみと幸
苦しさと悦

死骸の海を泳ぐ、遠足気分で
仮初めの出逢いも沖へと浚われる
耕された生活、誰も咎めやしない
当たり前の事だから
ほら

怨みと嫉み
偽善と正義
孤独と自由
甘えと拒絶

死骸の海を歩く、纏わり付く視線
飼い殺しの檻に入れられて馳せる
戒告から日は経ち、誰も咎めやしない
当たり障りの無い機巧(からくり)

この身が朽ち果てるその日までは
未来を探すのだろう?
不条理を搔きむしるだろう?
木漏れ日と共に舞う光を受け容れられたのなら
もう独りで鳴いたりしない?

耕された生活、誰も咎めやしない
当たり前の非現実ゆえ

朝日を待つ悪夢に招かれて竦む足を叩く
生き急ぐ抜け殻の様
歯痒くも勝ち誇る欺瞞に優しさを求めた
虚空に病むあなたも

この身が朽ち果てるその日までは
未来を探すのだろう
不条理を搔きむしるだろう
木漏れ日と共に舞う光を受け容れられたのなら
もう独りで鳴いたりしない

 

〜解〜

 

2016年1月作成

蝉の詩

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